音楽用語 A,B
音楽用語 A,B
Adagio
ad(~のように) + agio(ゆとり、くつろぎ、余裕) という語から成る。従って、ゆったりとした雰囲気の語であるが、“注意深く慎重に置く”意の動詞adagiareもこの語からうまれている。したがって、注意深くゆっくりと、ととらえればいいだろう。
al fine
終わりまで
al : ~に、~へ、~で、~のように、~ふうに、~まで
fine = 終わり
例)sempre dim. al fine : 引き続いて終わりまでdim.
Allegro
日本では、昔から「速く」と誤訳されてきたが、Allegroには速くという意味はない。
イタリア語でAllegroというと、軽さのある陽気で明るい、快活な感じを指します。イタリアのタクシーで、急ぐときに「Allegro!」というと運転手が陽気に歌いだした。でも急いではくれない。なんていう有名な話もあります。ちなみに、イタリアで「Allegroな女」というと、明るい女性ではなく、尻軽な不貞な女性を指すらしいのでご注意を。
ちなみに、快活さを表現しようとするとテンポはゆっくりよりもむしろ速めになる。だから、速くと誤訳されたと考えられる。したがって、Allegroを速く弾く場合は、あくまでもAllegroの陽気さや快活さを表現する上での速さである必要がある。
指揮者の故岩城宏之氏の著書「指揮のおけいこ」には、海外でAllegroをとにかく速く弾こうとして恥をかいたというエピソードが書かれていた。
Allegretto
「少し控えめのAllegro」と考えればよい。Allegroな速さよりも少し遅く。
Andante
“行く(go、どっちかといえばmove)”意の動詞andareに由来する。従って、日常的な速さでとにかく進む、移動する、動く、といった意味を持つ。ちなみにandanteな人というと、良くも悪くもない普通の人を指す。停滞することなく、それでいて急ぐこともない動的感覚を示す語。だいたい歩く速さと考えればよい。馬車のすすむ速さくらいという解釈もある。
animato , con anima
語源はanimare(~に生命力を与える)。animatoは形容詞、animaは名詞だが、この二つは意味が違う。違いをしっかり理解する必要がある。
・animato : 生命があって、動きがある状態。人気の多いお祭りなど、活気ある状態もanimato。元気出して、もanimato。
・anima :魂、精神そのもの。キリスト教に深く関連する語。穢れのない純粋な心は白いanima。中心部(奥深くにある一番大切な部分)バイオリンのanimaは魂柱。
従って、animatoは「生命力や活気のある、動きのある元気な感じ」、
con animaは「深く魂をこめた感じで、心の奥深くの魂で感じてください」という演奏になる。
assai
十分に、非常に